『習慣の力』書評
February 12, 2019
チャールズ・デュヒック著の『習慣の力』を読み終えたので、あらすじ及び感想を共有しようと思います。 この本は題の通り習慣の力について考察した本です。
第1章では「習慣」のメカニズムでは習慣がどういったものなのか説明しています。
冒頭でウイルスにより内側側頭葉の大半が破壊されてしまった男性の話が出てきます。 この男性は少し前のことすら思い出せないという状況だったのですが、散歩に出かけたときはなぜか家に戻ることができました。 さらに興味深いことに、この男性に散歩途中に家の場所を尋ねたところ、思い出せないと答えたそうです。
実は習慣による行動は脳の原始的な部分で行われていることがわかっています。 複雑な行動でも、一旦脳にプログラミングされてしまえば無意識的に行動できるのです。 この強力な「習慣の力」をうまく使うために、本章の後半では及び第2章では習慣とは何かを説明しています。
本書では習慣を以下の3つの要素のループと捉えています。
- きっかけ
- ルーチン
- 報酬
メールを例に説明してみましょう。 この場合のきっかけはメールの通知です。 つづいてメールを開くのがルーチンです。 メールを見ることで得られる気晴らしが報酬です。
筆者はこれに加え、このループを回す原動力である欲求の大切さも指摘しています。 つまり習慣は欲求がないとうまく作用しないということです。
例えば歯磨き粉は「歯をきれいにする」ことが報酬だと思ってしまいそうになりますが、実は違います。 実際、歯磨き粉が広く使われるようになる前にも歯磨き粉は存在しましたが、使っている人はほとんどいませんでした。 歯磨き粉を使用することで得られる本当の報酬は爽快感なのです。 疑いを持ったひとは歯磨き粉を使わずに歯磨きをしてみましょう。 全然歯磨きをした気がしないはずです。 つまり、私達は歯がきれいになること以上に爽快感を欲求しているのです。
本の後半では、習慣が大きな役割を果たした事例をいくつか紹介しています。 ただ、主な内容はすべて第1部にかかれているので、時間がない人はそこだけ読めばだいたいの内容をつかめると思います。
本書の最後には付録として「アイデアを実行に移すためのガイド」が書かれています。 ここでは悪い習慣を変える手法の枠組み(フレームワーク)を紹介しています。 具体的には
- ルーチンを特定する
- 報酬を変えてみる
- きっかけを見つける
- 計画を立てる
です。 つまり、習慣の3要素を特定し、報酬を変えないような別の新しいルーチンを考え出し、今までのルーチンを新しいルーチンに置き換えるということです。 この説明だけだとわかりにくいかもしれませんが、本書では筆者の悪い習慣(おやつのじかんにカフェに行きクッキーを食べる)を例に具体的なやり方を説明しているので解ると思います。
以上、『習慣の力』の書評でした!
吾輩はかちである。知識はまだない。